Goto!放蕩旅行!

旅は人を成長させる

しかしそれは人それぞれと言えるようだ


「Grand Tour」

17世紀、イギリスの裕福な貴族の子弟は学業修了時に

学者や家庭教師をガイドに欧州を私的に旅したそうです


主な行き先はフランス、イタリア

目的は最先端の文化、政治など多様な知識を得るため


フランスでは政治、哲学、貴族としての振る舞いを学び

旅の最終地イタリアでは考古学、美術などルネッサンスの空気を存分に味わう


Grand Tourはまさに英国紳士「ジェントルマン育成」最終章への旅!


旅の期間は数ヶ月から長いと数年ということもあり

現在価値で数億という莫大な費用がかかった旅もあったそうです


当時の旅の交通手段は船、馬車、人力車、駕籠、徒歩

移動中は決して優雅でなく過酷な場面も多々あったよう


盗賊に金銭を取られ

悪い場合には命を取られ


詐欺師にハマり

ギャンブルにハマり

そして娼婦にハマり

乱痴気騒ぎ!

若者のすることは古今東西似たようなもの

大人になるとはそいうこと


どうやらジェントルマンになるための通過儀礼は

勉学だけではなかったようですね


同行の家庭教師は各国の貴族、知識人と交流できる絶好の機会

青年達の世話でお給金をいただきながら

自身も欧州大陸の教養、文化を大いに学び

学者として成果を上げた人もいたようです


しかし彼らもピンからキリ

学生と一緒におおはしゃぎする不届者も多数!


イタリア人は、若者だけでなく周りの大人含め御一行のことを「金持ちの馬鹿ども」と

イタリア中に押し寄せるイギリス貴族を揶揄していたとか。。


まさに放蕩修学旅行!


このブームで火がついたのが「登山」だそうで

フランス、スイス、イタリアにまたがるアルプス山脈超えを果たすというもの

当時欧州でルソーの著書がベストセラーになり

「自然の景観を楽しむという価値観」が生まれ

それを旅に取り入れたのもこのGrandTourがきっかけだったようです


グランドツアーは17世紀にはじまり19世紀初頭には下火になる


イギリスで始まった資本主義経済はその後にアメリカへと渡り

アメリカ人が欧州にグランドツアーでやってくるように

そして貴族だけでなく庶民も海外旅行へ

「世界一周旅行」なる旅も登場し


人々は地球を旅するようになる


インドへのバックパッカー

からの中国人爆買いツアーを経て

「コロナGotoトラベル」へ


旅の歴史は連綿と続く


月へ火星へ人類の成長と欲望と冒険は広がりを見せる


そしてイギリス貴族のやらかしはハリーとメーガンへと繋がったのか?!


納得


Feel the たび♪

We gatta new 旅♪


「グランド・ツアー―英国貴族の放蕩修学旅行」本城 靖久

こちらに詳しく紹介されています

グランドツアーのエピソードや訪れる各都市の面白い文化などが描かれ

とても興味深い内容です

下の画像は当時イタリアで販売されていた石膏カメオ

イタリアの現地ガイドは彫刻家に依頼して

博物館、美術館でコレクションされているカメオの石膏レプリカを販売しました

お土産として大変人気があったそうです

gsrrb930 BROCANTE/古道具

gsrrb930 Dai Aoki 青木 大 2008年より、フランスを中心にヨーロッパのブロカント、アンティークの買い付け/販売を行っております 当HPにて、販売商品やコレクションをご紹介します